■QUALCHE NUVOLA(いくつかの雲)あらすじ
20代後半の主人公ディエゴ(Michele Alhaique)はローマ郊外に
家族と一緒に暮らしています。
ディエゴにはチンツィア(Greta Scarano)という婚約者がいます。
チンツィアとは同じアパートのお向かいで、幼い頃からの幼馴染。
お互いの家族とも家族ぐるみの付き合いで何でも話合える家族のような付き合い。
そんな2人の結婚も「結婚するよね?」と、
周囲からも本人達も自然に受け止め決まっていきます。
ディエゴもそんなものかな、と受け入れてしまっているので、
チンツィアの言うなりに結婚の準備を進めて行きます。
そんな中、ディエゴの勤務先の建設会社の経営者から親戚の家の修繕を頼まれます。
ディエゴが向かったその家にはヴィオラ(Aylin Prandi)という
とてもチャーミングで今まで出会ったことのない別世界の女性がいたのです。
家の修繕をしていくうちに2人の距離は徐々に近づき、親密な関係になっていくのでした。
そんなディエゴの不穏な雰囲気を察知したチンツィア。
教区の神父であり、ディエゴの幼馴染(昔は少しイタズラが過ぎた?)
ドン・フランコ(ミケーレ)に相談に行ったりするのですが、
ディエゴのふら付いた気持ちが改善される事無く、結婚式の日は迫ってきます。
そしてチンツィアの親友がディエゴとヴィオラが親密そうに一緒にいるところを見てしまい、
チンツィアに告げるのでした。
※俳優名はイタリア語表記のままです。
■ミケーレの神父役
この映画 でミケーレは主人公ディエゴ(Michele Alhaique)の
相談役となる神父を演じています。
エネルギッシュな役や熱血漢、ジャンキー、詐欺師、兵士
と言った役どころが多かったミケーレ、幼馴染の2人をさりげなくサポートする
寡黙で静かな神父役は今迄になく新鮮です。
完全に脇役なので、出演シーンは少ないですが
いつものクルクルふわふわしたヘアスタイルではなく、
ストレート横分けも案外似合っています。
■監督の長編デビュー作品
この映画の監督サヴェリオ·ディ·ビアージョはこの作品が長編デビュー作との事。
ミケーレとエリオ・ジェルマーノが主演したIl passato è una terra straniera(2008)では 助監を務め、その後音楽PV制作などを経て本作で長編デビューとなりました。 1970年生まれ。 |
家具売り場のいわゆるカリスマ店員を演じています。
作品に安定感を得たかったのでしょう、かつて一緒に仕事をした
ミケーレとエリオ・ジェルマーノが脇役として上手く活用出来ていると思います。
2011年制作の99分の作品で、第68回ヴェネツィア国際映画祭で上映(コンペ部門ではなく)
日本未公開です。
■補足
ミケーレはこの頃(2010あたりから)「新しいイタリア映画の興味深い(面白い)顔だ」と
言われるようになっています。
確かに従来のイタリア映画の俳優とは顔立ちも雰囲気も異なります。
マッチョな男臭さやセクシーさを強く出す傾向があると思いますが、
ミケーレにはそれがない・・・(いい意味で)
この映画がサヴェリオ·ディ·ビアージョ監督の長編作デビューとなりましたが、
ミケーレは過去にも長編作品が初監督!
というほぼ同年代の下記の監督達と組んでいます。
ヴァレリオ・ミエーリ監督、DIECI INVERNI(テン・ウィンターズ):2009年
マッテオ・ロヴェーレ監督、GLI SFIORATI(妹の誘惑):2011年
今後は自ら監督、なんてことがあるのでしょうか。(舞台演出は既に経験済み)
予告編