DIECI INVERNI(テン・ウィンターズ)のキャスティング


■シルベストロ役にミケーレは相応しいの?

2009年のDIECI INVERNI(テン・ウィンターズ)で監督のヴァレリオ・ミエーリは、
この映画が長編デビュー作でした。
ロシアとの合作、脚本も手掛けている監督としては大きなプロジェクトだったでしょう。
主役の2人にはそれぞれ思い描くイメージもあったようです。
カミッラ役のイザッベラ・ラゴネーゼは割と早くに決定し、監督もイメージ通りだったとか。
そしてその相手役のシルベストロ、このキャスティングには少々不安があったそうです。
シルベストロは人懐っこい反面、好きな女性にはなかなか本心を明かせない
純粋、純朴でいつまでも少年のような雰囲気を持っている青年。

ところが実際にキャスティングされてきた俳優がミケーレ・リオンディーノ?
監督にしてみると、ミケーレの雰囲気とシルベストロがあまりにかけ離れているので、
ちゃんと演じてくれるのかかなり不安で心配だったみたいです。

そんなに監督を心配させたミケーレの当時のイメージとは?
この映画が製作された2008-9年辺りのミケーレの出演作をざっと見てみると・・・
Il passato è una terra stranieraでのとんでもないジャンキーで賭博師、
Fortapascでもジャンキーな報道写真家、Principessaでは女性に不実な遊び人・・・
まぁ、不安材料はしっかり揃っていますね。
実際にミケーレもシルベストロの様な普通の青年の役、少しコミカルな役は
演じたことがなかったので上手く演じられるか不安だった、とインタビューでも答えています。
でも、悪役というか、どうしようもない役が案外いいんですよ、ほんとに(笑)

■はまり役?

不安を抱えた監督、いよいよミケーレとのご対面。
どんな恐ろしい青年がやって来るのかと思いきや・・・
出演作からイメージしていた悪人風の俳優とは全くことなり、
シルベストロのイメージにとても近いミケーレがいたそうです。
ミケーレはインタビューでシルベストロとは全く異なる性格なので~と、
答えていますが、結構はまり役と言いますか実際もこういう人なんじゃない?
と勝手に思いますが、ご本人がそう言っているのでそうなんでしょうね(笑)
しかし、自叙伝を見る限り、そう言われれば違うかもしれない、ん、そうですね。

2009年の東京国際映画祭に監督とミケーレは来日しています。
来日記者会見の様子東京国際映画祭ではインタビューが掲載されています。
それから上映後のミケーレも参加したティーチインも開催されたとか。
(今更言っても仕方のないことですが、残念でならない・・・)
その動画を以前見たのですが、今は無いみたいです。

こんな危ない賭博師や
オーバードース寸前で街中で倒れる報道写真家役などキケン人物役が多かった
監督とは1歳違いで同世代
イザッベラ・ラゴネーゼとも1歳違いの年上だけど弟感醸し出す
DIECI INVERNI(テン・ウィンターズ)予告編