ヤング・モンタルバーノのキャスティング②

「ヤング・モンタルバーノ」の主人公サルヴォ・モンタルバーノ役のオファーが来ても、
ミケーレはすぐにそれを受けなかったみたいです。
永年愛されている国民的ドラマの「モンタルバーノ」シリーズ。
モンタルバーノ!と言えば、ルカ・ジンガレッティを誰もが思い浮かべるほど、
イメージが定着していたそうです。しかも若い頃のサルヴォとは言え、
演じる役者は当然替わります。そうすると長年のファンも多く、
定着したモンタルバーノ=ルカ・ジンガレッティのイメージを
そうやすやすとは変えることができない。そして必ず非難の対象になる・・・

Carlo Degli Espostiからのオファーには当惑しつつも、
直感でキャスティングを決めた点やイメージしていた外見がピッタリだったとの話を
エージェントから聞き、ミケーレは自分自身を納得させるためじっくりと考えたようです。
原作も読み「モンタルバーノ」についてミケーレ自身も掘り下げて熟考したとの事。
そして、オファーを受けるにあたって2つのお願いをしたそうです。
まず、原作者アンドレア・カミッレーリに逢ってそして「モンタルバーノ」
「ヤング・モンタルバーノ」について話を聞きたい。何度も逢えるようにしてほしいとも。
2番目のお願いはシチリアの方言についてミケーレに自由を与えて欲しいという点。
原作では古風な方言が使われているそうですが、
それをなるべく再現するよう努力したそうです。
実際にこのお願いは聞き入れられ、アンドレア・カミッレーリは喜んでこのお願いを
受け入れてくれて、実際に二人は何度も逢い、
カミッレーリはミケーレに様々な話をしたそうです。
ミケーレはカミッレーリの話を聴き込み、情報を収集したそうです。
このような過程を経てミケーレはこの挑戦(オファー)を受けることにしたそうです。
わざわざ、挑戦を受ける・・・と言うあたりにこのドラマの影響と
役に対するプレッシャーが大きかったという事が伺いしれます。

いずれにしても、「われわれは信じていた」の撮影でプロデューサーが
泥まみれ髪はグチャグチャのミケーレを見て直感でオファーをしたおかげで、
チャーミングなサルヴォ(ミケーレ)に出会えたわけですから、
何がどう作用するか分かりませんね。
そして、「ヤング・モンタルバーノ」は・・・実際には成功したと言えるのではないでしょうか。
本家「モンタルバーノ」同様イタリア国内だけでなく、
ヨーロッパやイギリス、アメリカでも放送され(イギリスはBBC)
そしてミケーレもグンと知名度が上がったと思います。
しかし、放送している国営放送のRai、BBCをビジネスモデルにしているのでしょうか。
手法が似ているようなそうでないうな・・・。