■Principessa
女優志望のマチルダ(Morena Salvino)は街の観光地の史劇に出演しながら
オーディションを受けるチャンスを待っている。マチルダにはカメラマンの
恋人ピエトロ(ミケーレ)がいるのだが、遊び人で調子のいいピエトロに
どことなく不信感を持っていた。
そんな時に出会ったアンドレア(Riccardo Lupo)はピエトロとは違い
誠実そうで真面目で紳士的な青年。
実際にアンドレアは貴族の家系の出身で大きなお屋敷に母親と
使用人たちと一緒に住んでいた。
一方でマチルダは妊娠の件に関してのピエトロの不誠実な言動に失望し、
別れを切り出しピエトロに別れを告げる。
そしてマチルダは優しく穏やかなアンドレアに惹かれていき、
アンドレアと過ごす時間が多くなり、
彼の母親エレーナ(Piera Degli Esposti)が住むお屋敷に招かれ
数日間を共に過ごすことになる。
アンドレアが仕事で不在中も母親とは仲良く過ごすのだが、
マチルダを諦めきれないピエトロが訪ねてやってくるのだが、
マチルダは再度別れを告げる。
2人の口論を聞いていたアンドレアの母親は、マチルダに対して冷淡な態度を取り始め、
そしてマチルダを脅し、ついには倒れてしまう。
そしてアンドレアとお屋敷が母親の支配下にあることを知り、
アンドレアの元を去り1人出直すことにする。
■おとぎ話?
Principessaは王女と言う意味です。女性の前に現れる2人の対照的な男性、
理解のある友人や優しい家族、邪悪な魔女・・・
このようなおとぎ話の要素をこの映画に盛り込んだようです。
古典的なおとぎ話とは異なり、新たな王子様は現れず主人公が
自分の路を見つけようとするところで終わっています。ある意味、
よくあるパターンのお話でもあり、型通りの役があり、
エンディングも見えるところがそうかもしれません。(辛口?)
この映画のDVDもイタリア語字幕のみ(涙)英語字幕がない事が多いイタリア映画、
市場が小さいのも関連しているのでしょうか・・・。
■ミケーレのイメージ
2010年頃までのミケーレの役柄の多くは賭博師、ジャンキー、
遊び人等と言った不誠実で信用できない人物を演じる事が多いです。
この作品でも調子がよく、女性のことより自分の立場を優先する不実な男性を演じています。
きっと外見からくるイメージもあるのでしょう。もともとスリムな体型ではありますが、
この作品の頃(2008年)は更に痩せていて、
華奢で童顔に見えるため子供っぽさや身勝手さのイメージが優先され
包容力や逞しさと言ったイメージではキャスティングできないのかもしれません。
ミケーレ自身の本にも「南部出身の若手と言うだけで役柄が固定されることがあった」と
書いていることから、この頃のミケーレにはこういった固定されたイメージが
付きまとっていたのかもしれません。
監督:Giorgio Arcelli(この映画がデビュー作)
制作年:2008年
時間:90分
日本未公開童顔で華奢なので恋人同士にに見えず姉弟のように見えてしまう・・・